〜運動が不器用な子とは?〜第4回日本DCD学会に参加してきました

子どもの発達

こんにちは。ささやんです。

4月24日〜25日に開催された、第4回日本DCD学会にWEB参加してきましたので、本日はそこで学んだことも含めて少し皆さんにDCDについて少しお伝えしようと思います!本当は昨年開催される予定でしたが、コロナで延期となり一年越しの参加!

自宅で学会に参加できるのはありがたい!

まず最初に「DCDっ何??」と思う方が多くいらっしゃると思うので、簡単に解説します。

 

DCDってなに?

DCDとは発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder)のことで、「運動の不器用さ」や「ぎこちなさ」などが現れる脳神経の発達障害の一つです。

近年は発達障害という概念も世間一般にかなり浸透しておりますが、DCDは協調運動における発達障害であり、「ボタンを止めるのが苦手」「靴紐を結ぶのが苦手」「字や図形を書くのが苦手」といった手先の微細な運動に困難を有するものから、「まっすぐ走るのが苦手」「縄跳びが苦手」「ボールをキャッチするのが苦手」といった粗大な運動にも困難を有するものまで多岐に渡ります。

5歳〜11歳の有病率が5〜6%との報告もあり(American Psychiatric Association,2013)、クラスに1人〜2人いるというような計算になります。おそらくこれを読まれている方の中にもそういった特性を持つ方はいると思いますし、皆さんの学生時代のクラスメートにもそういった方はいたのではないかなと思います。

発達障害という言葉は世間一般に浸透してきていますが、DCDはまだまだ浸透されておらず、運動が不器用な子どもは「努力不足」「もっと練習をすれば良い」などの言葉がけをされてしまうケースが多いのが現状です。(実際には発達障害の理解もまだまだ十分ではないと思いますが・・・)

こうした社会の理解不足からくる傷つき体験により、DCDの子どもは学校内外の活動への参加意欲が下がってしまったり、運動嫌いになり肥満のリスクが高まることも研究で報告されています。

また不安・抑うつ・自尊心の低さのリスクが高まることや、集団遊びからの排除、いじめられる傾向、社会的孤立になりやすいなどの報告もされており、運動機能の問題を超えた心理的・社会的な二次障害に繋がっていくことが非常に大きな問題と考えます。

そのため社会がもっとDCDの特性について理解することが急務だと思いますし、なので今回の記事も一人でも多くの方に読んでいただけたら嬉しいです!

なぜ不器用なの?

先ほども少し書きましたが、DCDを含む発達障害全般は脳の器質的な問題からくるものであり、決して本人の「努力不足」でもなければ、「親の育て方」の問題でもありません!そして「障害」という名称になっているものの、これらの特性はスペクトラム(連続性)と言われており、誰にでも多かれ少なかれそういった特徴ってあるものなんですよね。白黒はっきり境界線があるものではないのです!

例えば運動の不器用さで言えば、体育の時間に素人が専門外のスポーツをすると身体がガチガチに緊張して、動きが硬くなっているなんて場面はよくありますよね。これは脳の中で運動イメージができない(予測ができない)ため、イメージと実際とのギャップが生じて脳が混乱しているような状態です。

練習を続けていくと、脳が学習して運動をイメージできるようになります。その結果、イメージと実際とのギャップも減り、無駄に力まずに柔らかい動きを行うことができたり、パフォーマンスが上がっていくと考えられています。

DCDの子は、この運動イメージを持つ(予測する)ことが苦手な脳の特性を持っていると考えられています。それによってイメージ通りに運動することができなくて、不器用になったりぎこちなくなってしまうのです。
靴紐がうまく結べないのも、ボールをキャッチできないのも、「みんなが初めてやるスポーツで起きているのと同じような状況」というイメージを持っていただいて良いと思います。スキーやスノボを初めてやった時、みんな脚が突っ張ったり腰がへっぴり腰になりましたよね?

スキーでへっぴり腰の我が娘(加工あり)

そういった状況が重なっていくため、筋肉が緊張状態になりカラダが硬くなるなどの悩みを抱える子も多くいます(私が働いている整形外科にもそういった子が来院します)

この場合、「硬いからストレッチ!」と意気込んで、子どもが痛がっているのに無理矢理ストレッチをしても何も解決には繋がりません。そうではなく、様々なバリエーションでの主体的に運動経験を重ねていくことが大切です。(この辺を記事にすると専門性が高く小難しい記事になるので今回は割愛)

 

駄菓子屋で行える支援

もしこの記事を読んで「うちの子、そうかも」「どこで相談したら良いのだろう?」と思った方は、各地域にある発達支援センターなどに相談に行かれると良いかと思います(一般の小児科や整形外科ではまだ見逃されるケースも多々あるそうです)

足立区であれば、こども支援センターげんきが公的機関で選択肢にあがるかと思います。

早期に適切な支援に繋げていくことが大切だと思うので、気になる方は電話相談なども含めて一度コンタクトを取ってみるのが良いかと思います。

そこまではまだちょっとハードルが高い・・・という方がいらっしゃったら、私たちの駄菓子屋にも気軽に遊びに来て相談していただけたらと思っています。

そのために運営している駄菓子屋ですので、お気軽に◎

4月運営日
28日(水)14:00〜17:00
29日(祝)10:00〜16:00(イベントは中止となりましたが、通常営業しています)

5月営業日
12日(水)14:00〜17:30
26日(水)14:00〜17:30

 

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