第39回日本小児心身医学会

子どもの発達

こんにちは。店主のささやんです。

現在、オンラインで視聴可能な学会が増えてその恩恵を受けております。

以前は学会にはあまり参加できていませんでした。
仕事は休まないといけないし、遠方まで足を運ばなければならないし(宿泊費、交通費も莫大!)。ドクターの先生と違って自己投資するにも金銭的な負担が非常に大きかったのです。

しかしコロナ禍で唯一と言って良いほどありがたいと感じているのが、このオンライン学会!

オンデマンド配信のあるプログラムは、いつでもどこでも視聴可能!しかも早口でよく分からなかったり聞き逃しても、何度も見返すことができます。今年はオンライン学会のおかげで、様々な学会に参加でき、知見を広げられておりますし、自分の専門療育との関連も整理できていると感じています。

ということで、現在はこちらの学会にオンデマンド視聴の形で参加。

第39回日本小児心身医学会

テーマが「”親と子の関係性”と子どもの心とからだ」ということで、今の自分が勉強すべき内容のど真ん中だと感じましたので、申し込みしました◎

以前から慢性疼痛関連の論文で勉強させていただいております、九州大学の細井昌子先生の演題「被養育体験と失感情症:子ども時代の逆境体験と生涯の健康」は、改めて幼少期の環境が将来の子どもの慢性疼痛や発達にどれほど影響するのかということを考えさせられました。

簡単に説明すると、失感情症(アレキシサイミア)とは、自らの感情に気づくことが乏しく、ストレス対処や対人関係に問題を呈することも少なくないという特徴があります。(アレキシサイミア傾向のある慢性疼痛の方も、自身の感情に気づけずに痛みとして情動が表出されてくるということがあります)

どういった幼少期の環境が、こうした失感情症などの人格を形成していくのでしょうか?

例えばですが、ポジティブ思考の強要などがあるかもしれません。子どもが何かを悔しがったり、悲しがっているときに親が「くよくよしてないでポジティブになろう!」と過度に前向きを強要するのは、その子の感情抑圧・アレキシサイミアへと繋がる呪いとなる可能性もあります。

「悲しんではいけないんだ」「悲しいんだけど、これは前向きに捉えなければいけないんだ」というような”すべき思考”が過度に刷り込まれることで、段々と子どもの思考のパターンを侵していきます。

親からの繰り返しのメッセージというのは、最初は「親の意見だろう」と思っていても、段々と常につきまとう思考に侵入してくるのです。そしてそれはたとえ親元から離れても、いつまでも呪いのように付き纏うものなのですね。

そう考えると、こういった問題は教育熱心な家庭などにも充分起こり得るものであり、啓蒙的に周知していく必要もあるのかなと感じております。

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