昔懐かしのおもちゃ「吹き上げ」でお口の機能を高めよう!

子どもの発達

こんにちは。ささやんです。

駄菓子屋オープンまで2週間を切りました。昼間は普通に働いて、空いた時間に準備を進めています。

オープニングイベントでは子ども縁日というカラダを使ったゲームを準備しています。
駄菓子屋を始める目的は、ただ駄菓子を売るだけではなく「子どもの発達支援」「子育て支援」が主たるもの。なので楽しく遊べればOK!ではなく、その先の「関わった人にどう影響するか?」までを考えて、慎重に丁寧に色々仕掛けていきたい。
子ども縁日は「楽しみながら、子どもの発達を促す」「保護者の方に、発達で大切なことを知っていただく」ということも目的に設計しています。

今日はその縁日の中でも「口育」に関することを紹介します。
子ども縁日では口育遊びとして、吹き上げを使った「吹き上げ選手権」を行います!(←そのまんま)

大人にとっても懐かしい吹き上げ

 

子どもの口腔機能が低下している!?

「近頃の子どもは〜、、、」と、苦言を呈する人もいますが、近年の子どもは昭和時代と比べて、口腔衛生が非常に改善されています虫歯の数は大幅に減少しているのですね。

現代は歯ブラシ習慣が多くの世帯に浸透し、もはや歯ブラシは「当たり前の日常」に。どんなに疲れている日でも寝る前の歯磨きを怠る人は少ないのではないでしょうか?
これは歯科医師さんや歯科衛生士さんの並大抵でない努力の賜物ですよね。

そんな歯ブラシ習慣の浸透により、学校の歯科検診の現場が、ネグレクト(育児放棄)などを発見する一つのきっかけになっています。

学校保健HP(https://www.gakkohoken.jp/special/archives/234)より画像引用

 

しかし虫歯の数は減ってきたものの、今度は口腔機能の低下というものが目立ってきています。

H27年の日本歯科医学会の調査によると、子どもの食に関する相談内容として多いのが
「よく噛まない」
「時間がかかる」
「偏食する」
といったものであり、これらが現代の日本における重要課題となってきています。

その要因はいくつか考えられますが、代表的なものに「普段の食事で噛まずに食べれるものを多く食べている」というのがあります。確かに昔と比べるとレトルト食品や麺類など、あまり噛まなくても飲み込めてしまう食品が身近になっているのかなとも感じます。

昔は玄米だったのが今や精製された白米が多く、噛まなくても飲み込みやすくなっているのも事実。東京都福祉保健局のこちらの資料(各時代の復元食の咀嚼回数と食事時間)を見ても咀嚼回数と食事時間が現代では大幅に低下していることが分かります。

東京都福祉保健局HPより画像引用(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/shikahoken/pamphlet/shokuiku.files/06P62-75.pdf)

また、「幼児の咀嚼と食行動および生活行動との関連性」という論文では、以下のような結果が出ています。

・「意識的に硬いものをメニューに加えるようにしている」という保護者の子どもは咬合力が高い。
・友人と積極的に遊ぶことができると担任から評価された子どもは溶出糖量(%)が高かった。

つまり食事の影響も一因としてありそうだし、それだけでなく社会的な側面の関与も示唆されるということです。とても興味深いですね。

そしてもちろん身体の機能というのを考えると、口腔と切っても切り離せない「全身」の状態も関係していると考えられます。例えば理学療法士の観点から考えれば、顎の運動は首の運動と切っても切り離せないのです。そのため「よく噛まない」原因には首の運動機能が関与している可能性も考えられます。そういった研究報告は見当たりませんが。

でも事実、顎や口腔の動きは首を含めて全身と連動してきます。なので身体の発達が口腔機能に影響することはもちろん、適切に咀嚼を行うことで、全身の運動機能が発達していくとも言えます。発達はそれぞれが影響しあっているのです。

カラダの発達により口腔機能が発達し、発話ができるようになる。すると今度は発話によるコミュニケーションができるようになり社会性が発達する。子どもの発育発達は多角的に捉えなければいけません。

 

口腔機能発達不全症とは

「口腔機能発達不全症」という言葉を聞いたことはありますか?15歳未満の子どもにおいて、定型発達と言われる子どもが獲得しうる口腔機能を獲得できていない状態の場合を「口腔機能発達不全症」と言うそうです。

これは咀嚼や嚥下機能の低下、構音の異常、口呼吸などによって、食べる機能や話す機能、その他の機能が十分に発達していない状態のことを言います。

診断にはチェックシートがあり、この項目(C1〜C12)のうち、2つ以上に該当する場合に歯科医師が診断します。

この項目の中身を見ると、食事や会話(発語)の際に気になることがないかをチェックしています。口腔機能は食事だけでなく発語にも直接関わるのです。

このチェックシートはあくまでも専門家向けのものなので、難しいと感じる場合はこのようなことが気にならないかをチェックしてみてください。

☑︎歯並びが悪い
☑︎固い食べものが嫌い
☑︎ほとんど噛まない
☑︎なかなか飲み込まない
☑︎口が開いている
☑︎話す時や食べる時に口から舌が出る
☑︎ヨダレが気になる
☑︎口から食べ物がよくこぼれる
☑︎口呼吸
☑︎いびきをする
☑︎滑舌が良くない
☑︎猫背
☑︎舌に歯の痕がある
☑︎舌が短い

こういったポイントを確認して気になる項目が多い場合は、一度小児歯科に力を入れている歯医者さんに行って相談してみるのもいいのではないでしょうか。早めに対処することで、口腔機能を改善できる可能性があります。

また気になる方は専門の歯科医に聞くのが一番だとは思いますが、そこまで心配してないけど口腔機能を改善させるポイントを知りたいという方向けに、いくつか紹介したいと思います。あくまでも私見なので参考にしないでくださいね!(私は口腔機能の専門家ではないので、詳しくは歯科医師さんや言語聴覚士さんなどの情報を収集することをオススメします!)

 

口腔機能を改善するポイント

口腔機能を改善するためには、大きく分けて「生活の工夫」と「機能改善のための取り組み」があると考えています。(私見)

生活の工夫とは、普段何気なくやっていることを少し工夫するというもの。

例えば
・子どもの咀嚼機能に合わせた食形態にする(切る大きさや茹でる時間など)
・水やお茶を食事の時に多く与えないようにする(流し込ませない)
・食事中の椅子の高さをしっかり調整する(姿勢正しく食べれる環境を)
などがあります。

何気ないいつもの日常を少し工夫するだけでも、機能の発達は大きく変わってきます。
日々の積み重ねが良くも悪くも子どもの習慣を作っていきます。

また機能改善のための取り組みとしては
・口腔周囲の筋肉の運動(口を動かす)
・口腔だけでなく、全身運動を満遍なく行う
・指しゃぶりや頬杖などの癖を直す
・口を使った遊びをする(シャボン玉、吹き上げなど)

このような取り組みを意図的に行うことでも、口腔機能の発達を促すことは可能でしょう。
もちろん年齢によっては難しいこともありますし、本人が嫌がっているのを強制させることでデメリットもありますので、慎重に行ってくださいね。

子どもの口腔機能は一生涯続く大切な機能発達です。
こういった知識を参考にしていただき、少しでも子ども達の悩みが軽減したら幸いです。

3月28日のオープニングイベントでも吹き上げ選手権を楽しみながら、子どもの発達に関する情報を皆さんに届けられるような工夫をしていきたいなと思います!

 

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